介護施設で90代の男性がゼリーで窒息死、社会福祉法人に多額の損害賠償の判決

2021年7月、広島市佐伯区の介護施設で、入所していた90代の男性がゼリーを喉に詰まらせて窒息し、死亡したのは施設職員が男性の誤嚥を防ぐ義務を怠ったことなどが原因として、死亡した男性の長男が施設を運営する社会福祉法人に3465万円の損害賠償の支払いを求めた訴訟の判決が11月6日、広島地裁であった。

裁判長は施設側の責任の一部を認め、法人に2365万円の支払いを命じたという。90代の男性の死亡にしては多すぎないか。

裁判長は、ゼリーを配る職員は他の利用者に配膳し、男性が誤嚥する様子を見ていなかったとした。職員らが食事の介助などの措置を講じていれば防げたとした上で「誤嚥を防止する措置を講じる義務を怠った責任は極めて重い」と指摘。「誤嚥は予見できなかった」などとする施設側の主張を退けた。

一方で、心臓マッサージなどの救命処置は尽くされていたと判断。男性側が主張した救護義務違反は認めなかった。

判決によると、男性は2021年7月20日、施設内の食堂で食事中、ゼリーを喉に詰まらせて窒息して意識を失い、搬送先の病院で死亡した。

判決後、長男は「施設の責任が認められて良かった。父の死を無駄にせず再発防止を徹底してほしい」と望んだ。施設側は「適切な体制を敷いていた。判決には納得がいかない」と控訴する意向を示した。(中国)

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