【広島ブラック校則さく裂!】寒くてもジャンパー、コート着用で登校不可

「氷点下の朝、子どもがジャンパーを着て登校したら、先生から脱ぐように指導されたという。校則だというが、常識からかけ離れている」と、中学2年の次男(13)を広島市中区の公立中に通わせる女性(40)が打ち明けたという。

強い寒波が襲った1月下旬。女性によると、次男は校門前でジャンパーを脱ぐよう、教員に促された。ジャンパーを着ずに下校した日の夕方から38度の熱が出て数日間、学校を休むことに。「車通勤の先生にコートは必要ないかもしれないけれど、生徒たちはみな震えながら通学している。なぜ子どもたちだけ我慢しなくてはいけないのか」。

同じ中学校に通う複数の生徒の話によると、2年女子(14)は「先生は『決まりだから』とか『コートを着るとどこの生徒か分からなくなるから』と言う。でも本当は校則を変えるのが面倒なだけでは」と。この冬は季節性インフルエンザに感染したという。「もし来年の高校受験前にかかったら大変」と不安を口にした。

生徒たちの通う中学校で校則を見ると「寒い時は着てもよい防寒着」のリストにセーターやマフラー、手袋はあるが、ジャンパーやコートはなく、着用不可だという。

「新型コロナウイルス対策で教室を換気するため、ひざ掛けやタイツの着用は段階的に認めてきた」と校長。一方、コート類は「教室内に置き場がないし、家庭によって買える子と買えない子の差がついてもいけない」とし、今すぐ見直す予定はないとする。「社会の決まりを守る大切さを指導するのが学校の役割。今あるルールの中で工夫してほしい」とも強調した。

市教委によると、防寒着についての市内統一ルールはなく、各校に任せているという。安佐南区の伴中は今冬から、柄やロゴがなく華美でないことを条件にコートの着用を認めた。生徒や保護者の声や通学時間が長い生徒の体調管理に配慮した。保護者が学校にあらかじめ「異装届」を提出すればコート着用を許可する、という学校もあった。

「ブラック校則」批判を受け、校則見直しの機運は高まっている。文部科学省は昨年12月、生徒指導に関する教員の手引書「生徒指導提要」を12年ぶりに改訂。各校のホームページで校則を公表し、必要性を説明できない不合理な校則は是正するよう求めた。市教委生徒指導課の星野和敏課長は「コロナ禍で社会情勢が変わり、校則は過渡期にある。子どもたちと一緒に考えていく姿勢が必要」と見直しを促す。

複数の中学校の校長や教頭は「生徒からコートを着たいとの声を聞いていない」と説明した。だが、通学路で声をかけた生徒たちは「着たい」と口をそろえたという。(中国)

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名無しさん  

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20230213/4000021275.html

広島

2023/02/13 (Mon) 00:26 | 編集 | 返信 |   

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