広島県内の転出者数が全国で2年連続ワーストの9207人

総務省が1月30日に発表した2022年の住民基本台帳に基づく人口移動報告で、広島県外への転出者が転入者を上回る「転出超過」が9207人(前年比2048人増)となり、都道府県別で2年連続最多だったという。年代別では20歳代が7割近くを占めており、県は学生の県内就職を後押しするとともに、魅力のある職業創出の支援に力を入れたいという。

人口移動報告は1954年に始まった国の統計の一つで、2014年からは外国人の移動も対象となった。

県の転出入の内訳は、他都道府県への転出者数が5万4924人(前年比2373人増)、他都道府県からの転入者数が4万5717人(同325人増)。外国人を統計に含めた14年以降、9年連続の転出超過となっており、全都道府県で最多となるのは19年、21年に続いて3回目。

転出超過の9207人の内訳は日本人6044人、外国人3163人。年代別では20~24歳が4014人、25~29歳が2046人で、20歳代が全体の66%を占める。それぞれの年代ともに、兵庫県に次いで2番目の人数となっている。

県内23市町で転出超過となったのは、広島市(2522人)、福山市(2404人)など19市町。広島市は政令20市の中で神戸市(3174人)に続く転出超過となった。県内での転入超過は廿日市市(238人)など4市町にとどまった。

県内の転出者数が増加傾向にある背景には、若年世代の流出がある。22年の20歳代の転出超過数6060人は、14年の2・3倍に上る。湯崎知事も31日、定例記者会見で「若年層が大きな要素だ」と語った。

特に学生に関しては、コロナ禍で普及したオンラインによる就職活動などで、大都市圏の大手企業に応募しやすくなったこともあり、湯崎知事は「早い段階から県内企業の魅力を伝えて地元への就職意識を醸成するとともに、デジタル系や研究開発企業の誘致などで、若者に魅力のある職場を拡大したい」と力を込めた。

地方創生に詳しいSOMPOインスティチュート・プラス(東京)の岡田豊上席研究員は「コロナ禍で地方への関心は高まっており、地方を拠点に働きたいと考えている人材も情報技術(IT)系には多い。この層と地元経済界を結び付けたり、スタートアップを支援したりして新しいビジネスを創出できれば、若者の地元雇用にもつながるのではないか」と指摘する。

人口移動報告は国内の移動のみが対象で、海外との移動は含まれていない。県によると、22年はコロナ禍に伴う入国制限が緩和されたことから、海外と県との転出入は1万31人の転入超過となっており、同報告に基づく転出超過の9207人を上回るという。

湯崎知事は会見で、若年層の転出超過が目立った点は「厳しい結果」と語った一方、同報告について「社会動態全体をみたものとは言えない」とも指摘した。(読売)



広島県の転出者数推移

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